かみ合わせが原因となる歯周病
こんにちは!
稲城市、大丸地区、JR南武線稲城長沼駅より徒歩5分、京王線稲城駅より徒歩13分
稲城にじいろ歯科・矯正歯科です。
久しぶりの更新です。
今回は、かみ合わせや不適切な力が加わることが原因で、歯周病を起こすことがあるということを知っていただきたいと思います。
まずは実際の症例写真を載せます
赤い線が歯周病の進んでいる部位
黄色い線が健康な部位(赤い線に比べて歯周病が進んでいない部位)です。
同じ歯でも左側と右側で骨の高さが全く異なります。
これは、この歯の左側の部分(赤い線の部位)において、噛む力が偏って強く加わっていることと、隙間が空いたことにより食物が挟まりやすいことが原因で、局所的に歯周病が進んでしまっていることを表しています。
実際、この患者様は歯間ブラシや歯磨きも気を付けて毎日行っていたため、磨き残しはそれほど多くありませんでした。
このように、歯周病は細菌だけが原因となる病気ではありません。
歯周病は、歯周病菌による感染症ですが、それを修飾して悪化させる因子があります。
具体的な例では
・かみ合わせ
・喫煙
・不摂生な生活習慣
・睡眠不足や風邪などの体力低下に伴う免疫力低下
・糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患
など、無数にあります。
そのため、当院では事前に問診を行い、レントゲンや歯周病検査のみならずかみ合わせの確認も行う場合があります。
先日のブログにおいて、不正咬合で8020の達成が困難な事例を紹介しましたが、これもかみ合わせが悪いため咬合力のコントロールがうまくできず、80歳までに歯が割れてしまったり局所的に歯周病が進んでしまい歯が抜けてしまったことが原因と考えられます。
一般的に、歯周病の治療は感染の除去です
歯周病菌の数を減らすための最も重要かつ基本的な方法は日々の歯磨きであるため、歯磨きの仕方を説明します。
そして、歯科医院での専門的な歯石や細菌、汚染物質の除去です。
しかし、上記で述べた症例ではそれだけでは改善しないため、さらに他の治療を行う必要があります。
かみ合わせの調整
部分的に強く当たっている部位や、他の歯よりも先にあたってしまっている部位は高さを調整する必要があります。
それにより、複数の歯が均等に接触させることができれば、かみ合わせが原因となる局所的な歯周病は進行を予防しやすくなります。
健康管理
日々の手洗いや栄養管理を行っていただくことで、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防することで免疫力の低下を予防でき、結果的に歯周病予防にもつながります。
また、口呼吸も免疫の破綻につながるため、鼻呼吸を行うと細菌やウイルス感染を予防できます。
全身疾患の治療
糖尿病や骨粗鬆症などは歯周病を進みやすくするため、医科での治療が必要です。
実際に医科で治療することで各種疾患の数値がコントロールされ、歯周病も改善すると報告されています。
矯正治療
かみ合わせの調整は歯を削ること以外にも、矯正でも治せます。
多数歯にわたりかみ合わせが悪くなっている場合は、矯正治療でないと治せないことが多々あります。
歯周病治療において非常に重要なこと
予防です。
歯周病は症状があらわれてから手遅れです。失った骨の再生には限界があります。
そのため、いかに歯周病にならないかが重要です。それはもちろん、日々の歯ブラシが大事です。
しかし、今回は細菌感染症を修飾して悪化させる因子があることを説明しました。
つまり、歯磨きだけでは予防としては足りず、それ以外のかみ合わせや全身疾患なども管理する必要があるということです。
全身疾患は医科で行う治療なので、歯科医院で行う治療としてはブラッシングや生活習慣の指導、そしてかみ合わせの調整です。
矯正というと、費用が高い、痛い、見た目が気になるなどの悪いイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。確かに、一時的に負担は生じますが、長期的にみれば、歯を残しやすくなるというメリットが非常に大きいです。
また、幼児期からお口のチェックを受けることで将来的にどういう歯並びになるか予想しやすくなります。
習癖により今後どういう歯並びになるかの説明を受けることができ、その予防法を学ぶことで将来的な矯正治療を避けることができるかもしれません。
当院では口育という考え方で、患者本人のもっている本来の身体の機能を活用して、小児のうちから筋機能にアプローチし、無理な力を加えずに自然な発育を促し、理想的な歯並びになるよう治療を行います。
これによりもし将来的に矯正装置が必要になったとしても、その期間の短縮や負担の軽減を期待できます。
これは小児のみならず大人にも通じる考え方で、矯正装置と併用することでより短期間での矯正治療が可能になることも報告されています。さらに、後戻りも起こりにくくなります。
*口育に関しては保険適応の治療があります
歯周病予防は歯磨きだけでは足りません
まとめると
・毎日の適切な歯ブラシ
・歯並びが悪くならないように小さいころからの発育の管理
・大人になってからも悪化しないよう悪習癖の管理
・全身疾患を持たないように生活習慣を整える
これらが大事だと考えられます。
・歯磨きをがんばっているけど歯周病が治らない
・かみ合わせの相談がしたい
・将来的な歯周病が心配
・こどもの歯並びが気になる
当てはまる方はどうぞ気軽に御相談ください♬