歯が原因の副鼻腔炎~歯性上顎洞炎~
- 2024年7月30日
- 予防歯科,にじいろ歯科diary,歯科診療に関して
こんにちは!
稲城市、JR稲城長沼駅より徒歩5分、京王線稲城駅より徒歩13分
稲城にじいろ歯科・矯正歯科です。
鼻づまりや頭痛はありませんか?
日々の生活に影響がでてしまい、放っておいても簡単に治るものでもなく辛い症状ですよね💧
実は、歯が原因でこれらが起こってしまうことがあります‼
副鼻腔炎
鼻の奥にある骨の空洞に炎症が起きている状態です。
原因は主にアレルギーや感染症です。
副鼻腔はいくつか種類があり、その中の一つに上顎洞と呼ばれる骨の空洞があります。
ここに炎症が生じている状態を上顎洞炎と呼び、その中でも歯が原因となるものを歯性上顎洞炎とよびます。
歯性上顎洞炎
【症状】
頭痛、鼻閉、目の奥の圧迫感や痛み、鼻の奥から膿の臭い
【原因】
歯の中や周囲組織への感染
【治療法】
抗生剤、歯の中(神経)の治療、抜歯
原因は、虫歯や破折により歯の中に細菌が入り込んだり、あるいは歯周病により炎症を起こし、それにより骨が溶けてしまい上顎洞まで炎症が波及してしまうことによります。
そのため、対応としては細菌を取り除くため、抗生剤の処方と、細菌の住処を失くすための根っこの清掃や、究極的には抜歯となることがあります。
上記の症状はあくまで上顎洞炎としての症状のため、実際はこれに加えて口腔内の症状として噛んだ時の疼痛や、歯茎の腫れや排膿がみられることが多いです。
ひどいときには軽く触れただけで激痛が走ったり、顔面まで腫れるといった症状がでてくることもあります。
根っこの治療や抜歯は一度行ったら取り返しがつかないため、事前にレントゲン写真などの診査が必ず必要です。
当院ではCT撮影などの各種診査を経て、明らかに原因となる歯がみられた場合に、患者様と相談の上で治療を行います。
以下に歯性上顎洞炎が疑われる実例を示します。
パノラマ像
この写真、赤丸と黄丸を見比べると、赤い丸で囲まれた領域が黄色い丸で囲まれた領域よりも白く写っています。
ここが上顎洞の部位であり、正常な状態では両者ともに黒く写ります。
これは、炎症が生じているためにX線が通りにくくなり、結果として赤い丸側では白く写っている状態です。
つまり、上顎洞炎が疑われる状態です。
では続いてCTで診ていきます。
CT像
こちらの方がよりわかりやすいですね。
赤い丸で囲われた領域はグレーに写っていますが、黄色い丸で囲われた領域は黒いです。
上のパノラマ像と同じく、赤い丸の領域で上顎洞炎が生じているじょうたいです。
原因としては、歯の根っこの先に細菌感染が生じており、炎症により骨が溶け、歯の根っこの先と上顎洞がつながっている状態です。
赤い矢印によりそれが確認できます。骨(歯の周りの白い構造物)が一部なくなっており、歯と周囲と上顎洞の内部の境界が不明瞭になっています。
実際に、この患者様は歯の内部を開けると神経が壊死しており、感染していました。
そして、処置により鼻づまりが改善したとのことでした。
すべての鼻づまりが歯科的な治療により改善するわけではありません。
副鼻腔炎のうち、歯が原因のものは一部です。
しかし、適切に診断と治療をすることによって辛い鼻づまりや頭痛といった症状が改善されることがあります✨✨
・耳鼻科で歯性上顎洞炎の診断を受けた方
・歯が重苦しく鼻づまりや頭痛もある方
・そのほか上記に心当たりのある方
どうぞ気軽に御相談ください♪