虫歯に関して
- 2023年10月27日
- 歯科診療に関して
こんにちは!院長の山本です。
虫歯に関して少し真面目なお話をさせていただきます
虫歯で悩む人が一人でも減るといいなと思い、書かせていただきます。
ちょっと長いですが、ぜひ読んでいただけると幸いです。
皆様は虫歯と聞いてどんなことを思い浮かべますか?
痛い、しみる、穴があく、歯が黒くなる、ばい菌、、、
おそらくほとんどの方があまりよくない印象をもっているのではないでしょうか。
虫歯、嫌ですよね。歯医者に対してトラウマを持っている方は、治療の際に痛みがでたことが原因の方が多いかと思います。
虫歯の治療は痛みを伴うことがあります。そのため痛みの出そうなときはあらかじめ麻酔を行うのですが、その麻酔もまた痛みが出やすいです。
当院では麻酔時の痛みが出にくいように表面麻酔や電動注射器を使用したり、あるいは麻酔薬の注入速度や温度に極力注意しています。
しかし、そもそも麻酔も使用せず、削っても痛みがでない、あるいは削りすらしない、というのが理想的な治療だと思います。
そこで!まずは痛みをなくすために虫歯についてみなさんに知っていただきたいことが4つあります!
①虫歯にはレベルがある
小さいほうから順にC1、C2、C3、C4と分類されていますが、実はそれよりもさらに手前の段階のC0という状態があります。
C0:歯の表面のカルシウム成分が失われてきている(見た目が白っぽくなります)
C1:歯の表面が溶けて穴が開きはじめている(見た目が黒っぽくなります)
C2:虫歯の穴が深く進んでいる(冷たいものや甘いものでしみる場合が多いです、歯と歯の間に隠れていることもあります)
C3:虫歯がさらに深く進み神経まで到達している(何もしなくても痛い、痛くて夜眠れないといったかなり辛い状態のことが多いです)
C4:虫歯によって歯が大きく崩壊している(神経もダメになっているため痛みがでないことが多いです)
②レベルに応じて治療法は異なる
C0:歯は削りません。歯磨きの指導やフッ素塗布を行い、虫歯が進行しないように予防する必要があります。
C1:虫歯を削ることがあります。ごく表面だけであれば削らずに様子をみることもあります。その場合はフッ素塗布等で予防が必要です。
C2:虫歯を削る必要があります。その範囲に応じて白い詰め物をして1回で終わるか、あるいは型取りをして2回に分け治療を行います。
C3:虫歯のみでなく、歯の中の神経も除去する必要があります。長く歯を使っていけるように数回に分け、歯の中をきれいにしていきます。
C4:基本的にはほぼ抜歯です。なんとか歯を残せるように努力しますが、かなりきびしいです。
③早い段階ほど刺激(削る量)は少ない
上に書いた通り、虫歯の進行に応じて削る量は変わってきます。
早い段階に発見でき適切に予防すれば、虫歯であったとしてもずっと削らずにすむこともあります。
放置された虫歯は耐え難い痛みが出たり、歯を抜かざるをえないことがあります。
もっと怖い話をするなら、お口の菌が血管に入り込み全身に悪影響を及ぼすこともあります。
高齢になり、全身の病気があると歯を抜くこともできず、麻酔を使うこともできず、痛みがあっても治療を行えない・・・ということもあります。
④虫歯になるリスクは下げることができる
虫歯は、【虫歯菌】が【糖】を分解して酸を産生することによって歯のミネラル分が失われ(脱灰といいます)、歯が構造的に崩れることで進行していきます。
糖と聞くと甘いものが思い浮かびますが、いわゆる糖質であり、これは多くの食品に含まれています。
お米にもパンにも含まれています。栄養表示で糖質(あるいは炭水化物)と表記されているものですね。
この糖質を過剰に摂取したり、頻回摂取することで虫歯になりやすくなるため、ある程度食べるのを抑えることで虫歯を予防できます。
しかし、これらは主食でもあり、脂質やタンパク質と並んで生きるために必要なエネルギーのため、過度な抑制はしないでください。
食べ物がお口の中に入っている【時間】も大事な要素です。
長時間お口のなかに物が入っているとその分、長時間お口の中が酸性になり、歯が溶ける時間が長引くので虫歯になりやすくなります。
具体的に言うと、飴とかチョコレートやキャラメルは長い時間お口の中に留まります。
一方、ビスケットやラムネは比較的短時間でなくなるため、それらよりは虫歯のリスクは小さくなります。
また、虫歯のなりやすさは個人差があり、唾液の質や歯の形によっても変わってきます。
体質的なところはどうしようもない点も多いですが、普段の歯磨きで歯の質を変えることができ、虫歯になりにくい歯にすることが可能です。
歯磨き粉にフッ素入りのものを使用することによって歯の表面が酸に対して抵抗力をもつようになります。
つまり虫歯予防のためには
・食事回数を決め、頻回の間食を行わない
・糖分の含まれたものを必要以上に食べない
・長時間お口に留まるものを食べない
・フッ素入りの歯磨き粉を使用して歯磨きをする
といったことが大事になってきます。
ここまで長々書いてきましたが、一通り読んでいただけましたでしょうか。
勘のいい方は既に気付いているかもしれないですが、上記の内容には定期健診の重要性が書いてあります。
定期的に歯科検診を受けることで早期に虫歯を発見できれば、大きく歯を削ったり、虫歯で痛い思いをする可能性を減らすことができます。
自分の歯で食事したい、歯を削りたくない、治療で何回も通いたくない、痛いのが嫌、虫歯になりたくないといった方は特に定期健診を受けることをお勧めいたします。
虫歯は風邪やケガと違い、放っておいても自然には治りません
虫歯はなってからでは後戻りできないので、ならないように予防することが重要な疾患です。
いま現在虫歯で困っている方だけでなく、虫歯はないが予防をしたいという方も、是非ご来院ください。
皆様と一緒に、皆様自身の健康を守ることに協力できると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。